教訓には二つあって、先人がそのために失敗したから後人はそれをしてはならぬ、と言う意味のものと、先人はそのために失敗し後人も失敗するにきまってるが、だからするなとは言えない性質のものと、二つである。
恋愛は後者に属するもので、所詮幻であり、永遠の恋などは嘘の骨頂だとわかっていても、それをするな、といい得ない性質なものである。それをしなければ人生自体がなくなるようなものだから。つまりは、人間は死ぬ、どうせ死ぬものなら早く死んでしまえということが成り立たないのと同じだ。『坂口安吾全集05』筑摩書房より
こんな引用から始まったBRUTUS。コーナー「恋の、悩み」ではせっかくの恋の相談を快刀乱麻でみじん切りにしたり、子犬顔が好きなら日本中の柴犬を探し尽くそうよ、と無責任に放り投げたり、とにかく笑える。人の恋の悩みはうまいですな。
名言集や、文人のラヴレター、こどもの恋愛意識などもあれば、アイドルとの恋愛についての記事もありますよ!要約すると、彼女たちは必ずしも美人でもなければスタイルもよいわけではないが、恋をさせるプロで、お金を払うことが愛情表現なんだよ、という身も蓋もないことでバッサリ斬っております。どのテーマもだいたい、恋なんて何も生み出さないけど、でも恋しちゃったんだからしょうがねーじゃんって感じです。
ひさびさにひと昔前のような俗っぽいマガジンハウスで非常に面白かったです。
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