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スーパーアートライフ

日常、買い物、ガジェット、アイドル、音楽、ASローマあたりのことを書く日記です。陸マイラー活動でハワイ旅行とか遠征してます。

聖地渋谷に復活したHMV&BOOKSに未来はないと感じたいくつかの理由

渋谷マルイシティを改装して渋谷MODI(モディ)がオープンしていました。経営は引き続き丸井で、オープン日は2015年11月19日。僕はオープン翌日の11月20日、仕事の帰りにふらっと立ち寄ってきました。渋谷MODI自体の印象は、良い意味でも悪い意味でも、最近オープンする商業施設のテンプレートに乗っていると思いました。スタバは入ってる、おしゃれな雑貨が売っている、ウッディなトーン…などなど。多分何回かはご用になることがあると思うと同時に、渋谷でなくてもいいのでは?感はありました。

そもそも、渋谷マルイシティはアイドルヲタクには縁が深い場所でした。ヲタクとファッションビルというのはなかなかの相性の悪さだと思うのですが、実は両者は利害関係が一致しており、渋谷マルイシティ入り口付近のただのエントランススペースでミニライブ並びに特典会が多く開かれていた場所なんですね。
そのリリースイベントはHMV&BOOKSが継承します。で、リニューアルした渋谷モディの中にはHMV&BOOKSという新店舗が入ることになり、リリースイベントなどはHMV&BOOKSが引き継ぐことになります。はす向かいには世界最大のディスクストアであるタワーレコード渋谷店があるので、差別化という意味でも気になったので重点的に見てきました。というか、違ったアプローチしないと勝てるわけがないし。
結論から言うと、HMV&BOOKSには未来はないと感じてしまいました。その多くは従来型店舗との差別化を図ったものだと思いますが、僕は成功するとは思いませんでした。

理由1:商品がどこにあるか究極的に分かりづらい

渋谷HMV&BOOKはMODIの5階〜7階の3フロアで展開をしていて、CDフロア、本フロアなど分かれているわけではなく、テーマごとにラックに商品が陳列されていて、そのテーマに沿った商品が陳列されており、一つのラックに本、CD、映像作品などが混在しています


こちらは曜日別。おそらく曜日別の気分に合わせた提案だと思います。


これは「365日」というテーマのラックの接写です。本の横にミスチルのCDが置かれており、その下にはビートルズ。そして洋書も混じっていますね。果たして、ミスチルのCDを探しに来た人がこのラックに行きつくのでしょうか。また仮に365日というテーマラックに惹かれたお客さんが、ビートルズのCDを買っていくのでしょうか。

理由2:CD在庫量が圧倒的に少ない

はす向かいには世界最大のCDショップことタワーレコード渋谷店があります。当然タワレコを意識して作られた店舗でしょう。差別化もされていますが、圧倒的にCD在庫量が少ないです。それにCDめちゃめちゃ見つけにくいです。本と混在して陳列されてるラックもあるし、ジャンルごとに細分化して分けられてます(ジャンル分けは主観が入るから見つからない場合多々ある)。こっちはざっくりとしたジャンル分けとアイウエオ順さえあればそれでいいんです。


一例ですけど左からSOUL・R&B、ヒップホップ、クラブミュージックの棚です。HMV渋谷店のヒップホップの取り扱いは真ん中の棚だけです。
単純にCDを買いたい人はどちらを選ぶでしょうか。

店舗全体にて、徹底的に提案型に針を振り切っている陳列です。フラッと立ち寄ってまだ見ぬ本/音楽に出会うことは多そうですが、特定の目的を持っての来店にはこれでもかというくらい相性が悪いです。

理由3:手書きポップが一つもない

90年代に隆盛を極めた外資系CDショップのタワーレコードHMV、国内資本のWAVE、レコファンディスクユニオンなど、どこに行っても熱い手書きポップがありました。知らないバンドの知らない音を、ジャケとその手書きポップだけで思いを膨らませて買うという時代がありました。事前にほぼ全ての音源が試聴できる現代ではもはやそんな買い方はないでしょうが、試聴機に貼られている手書きポップを参考に買うことは、僕自身はとても多いです。
僕の場合ですが、Shiggy Jr.、流線形、RAM RIDER、泉まくら、あっぷるぱい、北園みなみなどは手書きPOPを見て試聴機で聴いて僕自身が見つけたアーティストでした。正確に言うと"自分で見つけた気にさせてくれた”アーティストです。この自分で見つけたという人生の喜びをサポートしてくれるのが手書きPOPだと思うのですが、HMV&BOOKSでは見かけることはありませんでした。その代わりに無機質に印字された活字のレコメンドはたくさんありました。しかし、それを手にとって読む人がどれだけいるのでしょうか。


理由4:イベントスペースがあんまり良くない

渋谷タワレコのリリースイベントスペースは、把握している限りで1F、3F、4FとB1フロアのCUT UP STUDIOです。一方HMV&BOOKSは6Fと7Fの2箇所にありました。
6Fのイベントスペースは店舗の中央に中州のようにあるので、音楽流したら全方位的に広がってしまうし、ステージ裏からも見えてしまうのでアイドルイベントとかは収拾つかなくなるでしょう。おそらく音楽的なイベントには向いてないと思います。本のサイン会やトークイベントがメインな気がします。
7Fイベントスペースは奥まった場所にあり、音響設備もそれなりに整っているように見えました。しかしステージと言っても高さ20cmくらいのものだったので、後方からはかなり見えづらいと思うし、そもそもキャパも広くありません。人気グループが来た時に人数制限しなかったら店内はぐじゃぐじゃになりそうですし、人数制限したら選民イベになってしまいそう。そしてそもそもとってもお洒落スペースなので、我々といたしましては申し訳なさも相まってあまり盛り上がれないような気がします。


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もっとも大きい7階スペースは最大200人収容だそうです。え・・・これで?という感想です。


ただiPadによるイベント案内は超便利でした。ここでスケジュールを把握してふらっと立ち寄るとかいう機会は増える気がします。


理由5:店員さんが明らかに大企業社員風

僕が思うHMV&BOOKSの狙いは、代官山蔦屋書店風なアプローチだと感じました。代官山蔦屋書店は爺やのようなナイスミドルなおじさまだったり、本に青春のすべてを捧げたような地味っ子女性だったり、パッと見てプロ書店員の集団なんですよ(僕にはそう見える)。一方HMV&BOOKSの店員さんは、ローソン系列の優秀な正社員が集まっているように見えました(事実は違うかもしれません)。例えば少しマニアックな質問をしたとしたら、代官山蔦屋ではその人の知識を元にサジェストしてくれそうなところが、HMV&BOOKSではデータベースを叩いて調べてくれるような印象。話しかけたわけではないので真偽のほどは分かりませんし、どちらが良いも悪いもないのですが、雰囲気にかなりの比重を置く店舗だとしたら、この本物感の無さは違和感を感じました。

理由6:サブカルをがんばり続けられる人はそんなにいないのでは

誰しも皆、心にサブカルチャーを抱えて生きています。僕もあなたもサブカルチャー。メインストリームにいない自分を演じたい時など誰にでもあります。ただそんなに頑張れないんですよね…例えばビレバンに5年以上週1で通ってる人はどれくらいいるのでしょうか。どんなにお洒落にキメた洋書好きの丸眼鏡サードウェーブ系男子でも、めくった洋書のページ数よりもxvideosの検索回数の方が多いはず。
僕はこのHMV&BOOKSを”きれいなビレバン”だと感じたのですが、完全にサブカル色を前面に押し出した陳列棚の中で生き続けられる人がどれだけいるのか疑問です。

番外編:アイドルやる気ないならやらなくていいよ

アイドル陳列棚、展開が非常に小さいです。しかも店の本当の端の端にあり、社員通用口扉の手前というポジションです。

AKBの衣装展示もありましたけど、店内全体がおしゃれなだけに非常に浮いています。逆にアリ感で攻めてくることもなく、ただただ浮いています。やれって言われたからやった感が否めない。こんなシャレオツ空間でアイドルの衣装を写真撮ることとか、めちゃめちゃ気が引けます。僕はオワコンなので余裕で撮れますが…。
簡単に言うと、やる気ないならやらなくていいですよって感じですね。


と、まあ物凄い文句の嵐となってしまいましたが、私怨はありません。むしろHMV Record Shop渋谷のお店の雰囲気の良さから期待していただけに、何もかもこれじゃない感でした。
僕はこの形態は成功しないだろうという確信を持っていますけど、当然プロが統計と調査を元に作った店舗でしょうから客観的には成功する可能性の方が高いでしょうし、お店は生き物なのでこれからどんどんいろんなアジャストが入っていくでしょう。


ただ個人的には居心地はめちゃくちゃ悪いので、単純にふらっと立ち寄るならタワレコかなって感じでした。